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2歳になる娘を持つ きのっぴです。大好きなモノこと日常、そして思い出いろいろ書いています♪


by kiyonokku
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お星さまとポチ vol.9

ポチは、ちょうど犬たちの出入り口用なのでしょう、小さなとびらを抜けて、
暗い家の中に入りました。

オス犬は何も言わず暗い中をどんどん歩いていきます。
入ったところは玄関で、ろうかを歩いていくと、ちょっと開けた場所に出ました。

目がなれてだんだんくらやみの中が見えてきました。
そこは、ソファーがあり、テレビがおいてある台があり、テーブルといすもありました。
おうちのリビングのようです。

ちょうどお台所とのさかいめの辺りに、ゲージがあり、ドアが開いて、その先には
誰かが寝ているようです。

ポチの心臓がドキドキと高鳴ります。

オス犬がゲージのドアの中に入ろうとしたとき、奥にいる別の犬がもそっと起き上がりました
「う~ん、眠い、どうしたの?」メス犬の声です。その声にポチの耳が反応しました
「この子が訪ねてきたんだよ。お前に会いたいって」
「え?どの子?」メス犬が近づいてきました。

ポチはもうがまんできずに、ゲージの中に飛び込んでいきました

「ママ、ママなんでしょ?ボクのママだよね?」ポチがいいました。
「あ、この子は!」母犬がまじまじとポチを見て、くんくん鼻をならしました。
「たしかにわたしたちの子よ」母犬は涙を流しました。
「そうだ、この子はボクたちの子だよ」父犬もペロっとポチをなめてやりました。
「パパ、パパなんだね?」ポチは母犬と父犬を交代にくんくんにおいをかぎながら、
懐かしさでいっぱいになりました。

「ルルとジョン、どうしたの?こんな夜中に吠えるなんて」女の人が起きてきました。
「あら、この子は!、まあまあ、たった一人で来たの?」ポチを見てその人がいいました。
「どうしたの?あら、このチビちゃんどこの子?」小さな女の子がポチを指差しました。
「みんな、どうしたの?騒がしくて起きちゃったよ」ちょっと大きい男の子が来ました。
「この子、うちで生まれた子犬の一匹の子よ。夜中にどうやってここまで来たのかしら?」

そのおうちの人たちは朝が来るまでポチたち親子をそっとしておいてくれました

それからは、ポチはたまにお散歩途中でこのお宅に遊びにくるようになりました
このおうちの人がポチの家の人間のお母さんに話をしたところ、たまに会わせてあげましょうということになったのです。
ポチとママとパパはこうしてたまに会えるようになりました。ポチはもう夜中に泣き出すことも、家を抜け出すこともありません。
たまに夜お空のお星さまにありがとうと一声吠えてから眠るポチ、ママとパパに
会えるようになってとても幸せになりました。

by kiyonokku | 2005-09-22 11:16 | 物語